■第1回学術講演会

12月9日(木)午後7時よりスズケンにおいて、講師に苫小牧市旭町で『沖医院』を御開業の沖一郎先生をお招きし『新しいリウマチ治療/抗サイトカイン療法を中心にして』と題した講演会が開催されました。

講演は関節リウマチ(RA)による激痛のため階段の昇降もやっとの女性が抗サイトカインの投与を受けた翌日には殆ど普通に昇降できるようになったという衝撃的な映像で始まりました。RAの病態から診断基準、治療の歴史についての説明の後、今回のテーマである抗サイトカイン療法が紹介されました。治験の問題で日本での臨床応用は欧米に比し遅れましたが、同医院は道内においては函館五稜郭病院に次ぎ2番目(全国5番目)の症例数を誇り、臨床経験上結核の既往、感染症の有無、過敏症等いくつかの禁忌症さえ注意すれば非常に有効で、副作用においてもこれまでの薬と比べ決して多くはないとのことでした。しかし問題は治療費で、現状では投薬のために2ヶ月に1度の入院が必要でその費用が約26万円(10割負担)とのことです。

講演後の質疑応答において「RAは顎関節には起こらないのか」「RA患者の歯科治療に際し病巣感染等に対しての注意点はあるのか」等の活発な質疑が出され、それについては「割合的にはかなり少ないが顎関節にも起こりうること」「治療に際して鎮痛剤はすでに処方されていると思われるので必要ないが、抗生剤の使用にあたってはアレルギーを考慮し主治医に相談した方が良い」との回答でした。また一般に『RAは激痛を伴い関節が曲がる疾患』と思われがちだが、症例に合った治療薬の選択さえすればかなりの割合でそれを避けることができるとのことでした。



■永年勤続従業員表彰及び合同忘年会

 12月11日(土)午後5時30分よりグランドホテルニュー王子にて永年勤続従業員表彰及び合同忘年会が行われました。3年勤続者14名、5年勤続者9名、10年勤続者1名、そして今年から設けられた20年勤続者1名の計25名が表彰されました。受賞者を代表し柴田歯科医院勤続25年の石丸和子さんが謝辞を述べられました。

ひき続き6時より合同忘年会に移りました。今年は49医療機関より会員48名、従業員144名、来賓26名の計218名の参加がありました。

祝宴に先立ち今年度の新入会員の紹介があり杉村佳美、高松譲、佐々木勝、三輪幸恵の各先生が壇上で挨拶されました。

祝宴に入り、初めの10分程時間を使い、広報が記録した写真をスライドショーにして1年間を振り返りました。今年は余興に、大型スクリーンに映し出されたピンに向かいボールを振る‘液晶プロジェクター・ボーリング大会’を行い、勝者には賞品が贈られました。その後従業員が最も楽しみにしている恒例のビンゴゲームと大抽選会も行われ一等には4万円相当のコートが贈られました。今年は三上厚生担当理事の配慮で、抽選にはずれた従業員に、もれなく参加賞のバウムクーヘンが配られました。二時間にわたる忘年会はあっという間に過ぎ、当歯会若菜副会長の閉会の辞で終宴となりました。



■苫小牧市・苫歯会事務連絡協議会

 12月15日(水)午後6時より苫歯会事務所において上記協議会が行われました。市側からは、保健福祉部健康管理課より課長・副主管・総務係長、老人保健係長、母子保健係長、総務係主任主事、国保課より課長・係長、教育委員会学校教育課課長、学務係長・学務係主任主事の方々が計11名出席し、苫歯会側からは副会長、専務、他担当理事、事務長の計8名が出席しました。

開会にあたり当会を代表し当歯会金森副会長より「歯・口腔のみならず全身の健康維持、増進のために何をするべきかという観点で議論していただきたい」と挨拶がありました。出席者の自己紹介の後、当歯会学校歯科、地域医療、公衆衛生、広報の各理事より事前に提出された要望に対し市側より用意されてきた回答書に沿って協議が進められました。

今回は「学校検診のデータ集計」「1歳半・3歳児検診時の会場スペースの在り方」等、市の財政状況を考慮し、出来る限り財政負担のない要望が出されました。また金森副会長より「是非、市に先導していただき口腔や歯のみならず、全身の健康のフェスティバルを検討して頂きたい」との要望も出されました。しかし、市側からは「現在の緊縮財政では新たな事業を始めるに当たっては、既存の事業を削らなければ難しい」との回答がなされました。

協議会は活発な意見交換のなか終始和やかなムードで進みましたが、予算計上の必要なものについては、今年も厳しい回答ばかりでした。



■第2回学術講演会

 12月16日(木)午後7時よりスズケンにおいて、講師に苫小牧市花園町で『苫小牧皮膚科クリニック』を御開業の南辻康志先生をお迎えし『皮膚科医と歯科医の接点〜歯科金属を中心に』と題した講演会が開催されました。

 歯科用金属アレルギーは口唇炎や口内炎のように、口腔粘膜のびらん・かぶれを伴うものをはじめ、扁平苔せんや白板症、及び皮膚科の特定疾患でもある掌  膿胞症などのように全身の皮膚に湿疹やかぶれとして発現することが多いそうです。また金属アレルギーは金属がイオン化し溶出することにより発生するということや、イオン化しにくいという理由からこれまでアレルギーの原因にはなりにくいとされていた金が、最近の研究ではかなり原因となっていることも話されました。

 金属アレルギーが疑われた場合は金属貼付テスト(パッチテスト)を背部にておこない、二日から七日後に皮膚の反応を見るそうです。しかし患者さんはその間入浴が出来ない等の理由から敬遠することが多いようです。仮にテストで歯科金属が原因だと判明しても治療費や除去後の効果を考えると、なかなか補綴物の交換を勧めにくいとおっしゃっていました。

 また他の口腔領域に発現する皮膚科的疾患として、カンジダ、ヘルペス、手足口病等の感染症、死に至る可能性もあるものとして尋常性天ぽうそう、類天ぽうそう、多形滲出性紅斑なども紹介されました。

 講演後の質疑応答で「アレルギー発症にきっかけはあるのか?」「金属の削った粉末をパッチテストにそのまま使えるのか?」「パッチテストの費用は?」「ラテックスグローブについては?」等多くの質問が出されました。また逆に講師の側からも「金属冠の除去、及びメタルフリーの冠の費用は?」といった質問が出されました。

(高嶌敏幸記)

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